開放的な空間が楽しめる吹き抜けは、注文住宅で人気の設計です。ここでは吹き抜けの価格の目安や、メリット・デメリット、コストを抑えるコツを解説。吹き抜けに適した間取りやおしゃれに見せるアイデアも紹介するので、家づくりの参考にしてみてください。
注文住宅で人気の吹き抜けとは?

注文住宅で人気の吹き抜けとは、複数階の間に床を設けず、上下階をひとつの空間としてつなげる構造のことです。天井が高くなるため、実際の床面積以上の広がりと開放感を感じられます。リビングや玄関ホールに設けることが多く、デザイン性の高さから人気を集めています。
吹き抜けの価格の目安はいくら?

吹き抜けを設ける際の費用は、新築の注文住宅と既存の住宅をリフォームする場合で異なります。それぞれの費用の目安を解説します。
注文住宅の費用相場
注文住宅で吹き抜けを設ける場合の費用は、吹き抜けの広さによっても変わりますが、100万円~300万円程度が相場です。この金額には、吹き抜け単体の工事費用だけでなく、構造補強工事や足場の設置、照明器具やシーリングファンの設置費用も含まれていることが多いです。
ただし、費用の相場は建物の構造や建築会社によっても変動します。
リフォームの費用相場
既存の住宅をリフォームして吹き抜けを設ける場合は、注文住宅よりも若干高くなり、100万円~500万円程度が目安とされています。リフォームの場合、既存の建物の構造を大幅に変更する必要があるため、解体や構造補強の費用が追加でかかります。
吹き抜けを検討する際は、これらの費用を総合的に考慮し、複数の建築会社やリフォーム会社から相見積もりを取ることをおすすめします。
注文住宅の吹き抜けの価格を抑えるコツは?

注文住宅で人気の吹き抜けは、開放感や採光、デザイン性の向上といった多くのメリットがありますが、コストがかさみがちなのも事実です。ここでは、吹き抜けの価格を抑えるための具体的なコツを紹介します。
1. 吹き抜けの面積を広げすぎない
吹き抜けを設ける際は、面積を広げすぎないようにするとコストを抑えられます。床材が不要になるだけでなく、建物の構造を保つための補強や、高所作業にかかる費用を面積に応じてカットできるためです。
具体的な対策としては、LDK全体を吹き抜けにするのではなく、リビングの一部や階段ホールの上など、ピンポイントで設ける方法があります。視線が抜けることで十分な開放感が得られ、コストを抑えながらも吹き抜けの魅力を味わうことができるでしょう。
吹き抜けをコンパクトにすることで、2階の居住スペースや収納を確保できるメリットもあります。
2. 照明器具のコストを下げる
照明器具のコストを下げると、吹き抜けの費用を抑えられます。吹き抜けには、天井から空間全体を照らすシーリングライトや、空気を循環させるシーリングファン付き照明などがよく採用されます。
これらは高所での設置や交換が必要となるため、本体価格に加え、特別な工事費用や将来的なメンテナンス費用も必要です。
高価な照明ではなく、汎用性の高いダウンライトやスポットライトを組み合わせると、明るさを確保しながらおしゃれに見せられます。
3. 窓の大きさや数に注意する
吹き抜け部分の窓の大きさや数に注意するのも、費用削減のポイントです。吹き抜けの大きな魅力は、高い位置の窓から光を多く取り込める点ですが、窓のサイズを大きくしすぎると費用が高額になります。
また、大きな窓は高価なだけでなく、暖房効率が悪くなる点にも注意が必要です。夏は日差しが入って室温が上がり、冬は外気により寒く感じるなどして、冷暖房費が高額になるケースもあります。窓の大きさを小さくし、数を減らすことで、冷暖房費を抑えながら過ごしやすい空間を作れるでしょう。
4. 階段の形をシンプルにする
吹き抜け部分の階段をシンプルな形状にすることでも、コストカットが可能です。吹き抜けに設ける階段は、空間の印象を左右する重要な要素です。デザイン性の高い階段やらせん階段は魅力的ですが、その分費用は高くなります。
直線的でシンプルな形状を選ぶ、フルオーダーではなく既製品を活用する、素材にアイアンではなく木材を使用するなどで、コストを削減できます。自分の叶えたいイメージがある場合は、専門家にイメージを伝え、コストを抑えながらデザイン性も両立できるアイデアを提案してもらうのがおすすめです。
注文住宅で吹き抜けをつくるメリット

注文住宅に吹き抜けを設けると、明るく開放的な雰囲気を楽しめるのが最大のメリットです。部屋の風通しがよくなり、家族間のコミュニケーションが増える点も見逃せません。
開放的な雰囲気が楽しめる
吹き抜けの最大の魅力は、なんといってもその開放感です。1階と2階の間の床をなくすことで、天井が高くなり、実際の床面積以上の広がりを感じることができます。狭い土地に建てる住宅でも、吹き抜けがあれば視線が上へと抜けるため、広々としたリビングや玄関を演出できます。
採光により室内が明るくなる
採光により室内が明るくなるのも、吹き抜けのメリットです。吹き抜け部分に高窓を設けることで、太陽の光をたっぷり取り込むことができます。隣家との距離が近い立地でも、上から光が入るため、1階の部屋全体が明るく、日中は電気をつけなくても過ごせるほどになります。自然光が差し込む家は、住む人の心も明るくしてくれるでしょう。
風通しがよくなる
部屋を吹き抜けにすると、風通しがよくなるのもメリットのひとつです。縦に長い吹き抜け空間において、暖かい空気は上昇し、冷たい空気は下降しやすくなります。一箇所に空気がとどまらないため、常に快適な空間を保てるでしょう。
また、吹き抜け部分の高窓を開けることで、室内の暖かい空気が外に排出され、1階の窓から新鮮な空気が取り込まれます。これにより、部屋全体の空気がスムーズに循環し、夏場でも快適に過ごしやすくなります。
家族間のコミュニケーションが円滑になる
1階と2階がひとつの空間でつながることで、家族のコミュニケーションが活発になるのもメリットです。リビングにいる家族が2階にいる子供に声をかけるなど、ちょっとした会話がしやすくなります。自然と家族間のコミュニケーションが生まれ、互いの存在を身近に感じられる住まいとなるでしょう。
注文住宅で吹き抜けをつくるデメリット

吹き抜けには多くのメリットがありますが、冷暖房の効率が低下する、床面積が狭くなるなど、注意すべき点も存在します。主なデメリットを紹介します。
冷暖房の効率が低下する
吹き抜けは天井が高く、開放的な空間となるため、冷暖房の効率が低下しやすいというデメリットがあります。暖かい空気は上に、冷たい空気は下に溜まる性質があるので、冬場は暖房の熱が2階に上がってしまい、1階がなかなか暖まらないことも。逆に夏場は、2階に熱気がこもりやすくなります。
高い断熱性能の窓や断熱材を採用したり、シーリングファンやサーキュレーターを設置して空気を循環させたりすると、冷暖房の効率を高められます。
2階の床面積が狭くなる
吹き抜けは1階と2階の間の床をなくすため、その分だけ2階の床面積が減少します。吹き抜けの広さによっては、2階に予定していた部屋数や収納スペースが確保できなくなる可能性もあります。
家族構成や将来のライフプランを考慮し、吹き抜けの広さと居住スペースのバランスを検討することが重要です。
音やにおいが広がりやすくなる
吹き抜けは1階と2階が一体の空間となるため、生活音や料理のにおいが伝わりやすくなるのが難点です。1階のリビングでテレビをつけていると、2階の部屋まで音が響いてしまうこともあります。また、料理のにおいも家全体に広がりやすくなります。
ある程度の音やにおいは避けられませんが、間取りの工夫や高性能な換気扇の導入などで、影響を最小限に抑えることは可能です。
メンテナンスがしづらくなる
吹き抜けの高い位置にある窓や照明器具、シーリングファンなどは、掃除や電球交換が困難になるというデメリットがあります。特に高所にある窓の掃除は、専門業者に依頼する必要が出てくるかもしれません。
メンテナンスの負担を減らすためには、高所には長寿命のLED照明を採用したり、手が届く位置に窓や照明を配置したりするなどの工夫が必要です。
注文住宅で吹き抜けをつくりやすい場所

注文住宅において吹き抜けをつくりやすい場所は、建物の構造や間取りによって異なりますが、一般的にリビングや廊下・玄関が適しているとされています。
リビング
家族が集まるリビングは、吹き抜けをつくるのにおすすめの場所です。吹き抜けを設けることで、リビングがより広々とした空間となり、くつろぎの場としての快適性が向上します。
高い位置に窓を設ければ、明るい光が差し込むため、日中は照明をつけなくても快適に過ごせます。家族が顔を合わせる機会も増え、コミュニケーションがより円滑になるでしょう。
廊下
2階の廊下に吹き抜けを設けるのも人気の間取りです。廊下は採光が難しく、暗くなりがちな場所ですが、吹き抜けにすることで上からの光が届きやすくなります。
また、廊下を回廊式にすることで、1階にいる家族の気配を感じながら過ごすことも可能です。廊下はLDKに比べて面積が小さいため、費用を抑えたい場合にも適しています。
玄関
玄関は、家の第一印象を決める重要な場所です。玄関に吹き抜けを設けることで、開放的で明るい空間となり、訪れる人に好印象を与えられます。
また、玄関はリビングと比べて滞在時間が短いため、冷暖房効率の低下や音の広がりといったデメリットの影響を受けにくい場所です。玄関からの光が廊下やリビングに届くようにすれば、家全体を明るくする効果も期待できます。
注文住宅で吹き抜けをつくる際の注意点

吹き抜けのある空間で快適に過ごすには、空気循環設備を設けたり、耐震性を高めたりすることが重要です。断熱性・気密性の向上に加え、直射日光対策も忘れずにしておきましょう。
空気循環設備を設ける
吹き抜けにシーリングファンやサーキュレーターなどの空気循環設備を設けると、冷暖房効率を高められます。暖かい空気は上に、冷たい空気は下に溜まるため、冬は吹き抜けの1階が寒く、夏は2階が暑くなりがちです。
対策として、シーリングファンやサーキュレーターを設置し、室内の空気をかき混ぜる方法があります。部屋全体の温度を均一に保ち、冷暖房の効率を向上させられるでしょう。
耐震性を高める
吹き抜けを設ける場合は、建物の耐震性を確保することが重要です。吹き抜けは床を抜いてつくるため、地震が起きた際に建物が歪みやすくなるリスクがあります。
吹き抜けを設ける際は建築士に相談し、梁の追加や構造強度を高める技術を採用するなど、耐震性を高める対策をしましょう。耐震等級の高い住宅を建てることも検討してみてください。
断熱性・気密性を高める
冷暖房効率の低下を最小限に抑えるためには、建物全体の断熱性と気密性を高めることがポイントです。特に大きい窓は熱が逃げやすいため、窓の性能には注意が必要です。
窓には高性能な複層ガラスやトリプルガラスを採用し、サッシも樹脂製のものを選ぶと良いでしょう。また、壁や天井に高密度の断熱材を施工することも有効です。断熱性や気密性を高めることで、外気の暑さや寒さの影響を受けにくく、一年を通して快適な室温を保ちやすくなります。
直射日光を遮る
吹き抜けにはカーテンやブラインドを設置するなどして、直射日光対策をすることも重要です。吹き抜けの大きな窓からたっぷりの光が入るのは魅力的ですが、夏場は直射日光が差し込みすぎて、室温が上がりすぎることがあります。また、強い日差しは家具や床材の色あせの原因にもなります。
窓にはブラインドやロールスクリーン、カーテンなどを設置して、必要に応じて光を調節できるようにしましょう。紐を引っ張るタイプや、リモコン操作できる電動のものなら、高所のカーテンも簡単に開閉できます。
他には、熱線反射ガラスやLow-Eガラスといった遮熱効果のあるガラスを選ぶことで、日差しによる温度上昇を抑える方法もあります。
注文住宅で吹き抜けをおしゃれに見せるアイデア
注文住宅に吹き抜けを設けるなら、デザインにもこだわって、より魅力的な空間に仕上げたいものです。吹き抜けをおしゃれに見せるためのアイデアを紹介します。
スケルトン階段で圧迫感を軽減

吹き抜けに踏み板と骨組みだけで構成されたスケルトン階段(ストリップ階段)を選ぶと、空間に圧迫感を与えません。光が階段の隙間から抜けるため、より開放的でモダンな印象になります。アイアンや木材など、素材によっても雰囲気を変えることができ、吹き抜けの主役としておしゃれな空間を演出できます。
照明の配置にこだわり表情豊かに

吹き抜け部分の照明の配置を工夫すると、空間に奥行きと表情が生まれます。天井からシャンデリアやペンダントライトを吊り下げると、高いデザイン性を楽しめます。
空間をすっきりと見せたい場合は、天井に埋め込んで設置するダウンライトがおすすめです。メインの照明に加えて、特定の場所を照らすスポットライトを補助照明として取り入れても、おしゃれな空間が演出できます。
梁を見せて空間を引き締める

吹き抜けをつくる際に必要な構造材である梁を、あえて隠さずに見せる化粧梁(見せ梁)は、おしゃれな吹き抜けの定番です。木の温もりを感じさせる梁は、空間のアクセントとなり、ナチュラルで落ち着いた雰囲気を演出します。梁にスポットライトを取り付けて、夜には違った表情を楽しむ方法もあります。
勾配天井で開放感アップ

吹き抜けと勾配天井を組み合わせると、よりダイナミックな空間が生まれます。勾配天井とは、屋根の勾配を活かした斜めの天井のことです。天井に高低差が生まれることで、視覚的な広がりが増し、個性的な空間になります。勾配部分を利用して、ロフトや屋根裏収納を設けることも可能です。
注文住宅で吹き抜けを取り入れ、開放感を楽しもう

注文住宅に吹き抜けを取り入れると、明るく開放感のある空間を楽しむことができます。費用の目安や価格を抑えるコツ、おしゃれに見せるアイデアも参考に、吹き抜けのある暮らしを叶えてみませんか。
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