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【2025年最新版】注文住宅の補助金制度|注意点やモデルケースも紹介

注文住宅の建築は、大きなライフイベントの1つです。近年、国や地方自治体では、省エネルギー性能の高い住宅取得や子育て世帯の支援を目的とした、さまざまな補助金制度を設けています。これらの制度を上手に活用することで、住宅購入にかかる費用の負担を抑えることが可能です。本記事では、国や地方自治体が実施している主な補助金制度と利用する際の注意点、併用できる減税制度、補助金活用のモデルケースを紹介します。

目次

【2025年版】注文住宅を建てる人が知っておくべき補助金制度一覧

注文住宅の建築を検討する場合、補助金についても把握しておくことが重要です。上手に補助金を活用することで、支払い額を抑えられます。まずは、必ず押さえておきたい、以下3つの国の補助金について見ていきましょう。

子育てグリーン住宅支援事業

「子育てグリーン住宅支援事業」とは、カーボンニュートラルの実現に向けて、省エネ性能の高い住宅の取得を支援するための事業です。子育て世帯や子どものいない若者夫婦世帯の経済的負担の軽減を手助けします。

なお、子育て世帯とは、申請の時点で18歳未満の子どもを有する世帯、若者夫婦世帯とは、申請時点において夫婦で、どちらかが若者である世帯のことです。

対象世帯  ・GX志向型住宅:全世帯
・長期優良住宅・ZEH水準住宅:子育て世帯・若者夫婦世帯
補助金額・GX志向型住宅:最大160万円/戸(全世帯)
・長期優良住宅:最大80万円/戸(子育て・若者夫婦)+古家解体20万円加算
・ZEH水準住宅:40万円/戸(子育て・若者夫婦)
条件・グリーン住宅支援事業者との契約
申請方法・個人の直接申請は不要
・登録事業者が代行する

補助金の詳細は、公式ページでご確認ください。

給湯省エネ2025事業

「給湯省エネ2025事業」とは、住宅の給湯分野において、エネルギー消費を削減するための事業です。高効率給湯器の導入支援や普及、拡大を行います。その結果、「2030年度におけるエネルギー需給の見通し」を達成につなげるのが目的です。

対象世帯・新築注文住宅
・新築分譲住宅
・既存住宅(リフォーム)
・既存住宅(購入)
補助金額(基本)・ヒートポンプ給湯器:6万円/台
・電気ヒートポンプ・ガス瞬間式併用型給湯器:8万円/台
・家庭用燃料電池:16万円/台
※戸建て住宅の場合、補助上限はいずれか2台まで
申請方法給湯器等の購入もしくはリースの契約をする事業者が行う

上記の補助金額はあくまで基本のものです。上記の給湯器について一定の条件を満たしていれば、さらに最大7万円の補助額が追加されます。また、新しい給湯器の設置に伴い、古い給湯器を撤去する場合にも1台あたり最大8万円の補助が出ます。

補助金の詳細は、公式ページでご確認ください。

ZEH化等支援事業

ZEH化等支援事業は、ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス(ZEH)の新築にあたり、補助金を支給する事業です。2030年度の家庭部門におけるCO2排出量の削減や、2050年のカーボンニュートラルの達成につなげることを目標としています。

対象住宅・ZEH:Nearly ZEH、ZEH Oriented
・ZEH+:Nearly ZEH
補助金額(基本)・ZEH:55万円/戸
・ZEH+:90万円/戸
条件・ZEH・ZEH+の定義を満たしていること
申請方法・SII(一般社団法人環境共創イニシアチブ)に登録している
・「ZEHビルダー」や「ZEHプランナー」が申請

なお、上記の補助金は基本で、設備を追加すると追加の補助金を受けとることも可能です。例えば、蓄電システムは上限20万円、CLT(直交集成板)を利用した場合は90万円、地中熱ヒートポンプは90万円、PVTシステムは65万〜90万円といった形で補助が上乗せされます。これらを組み合わせることで、最大で180〜190万円規模の補助を受けられるケースもあるでしょう。

補助金の詳細は、公式ページでご確認ください。

地方自治体の補助金・助成金

国の補助金に加え、各地方自治体の補助金や助成金もあります。これらを含めて上手に活用するのがポイントです。全国の自治体の中から、札幌、千葉、さいたま、静岡、名古屋、大阪、京都、福岡の補助金や助成金について紹介します。

札幌市

札幌市が申請を受け付けている、注文住宅向けの補助金は、省エネ・再エネに加えて寒冷地対策がメインであることから、全国の補助金制度の中でも特徴的です。

「再エネ省エネ機器導入補助金」と「再エネ省エネ機器導入補助金」について詳しく見ていきましょう。

再エネ省エネ機器導入補助金

この補助金制度は、再生可能エネルギー機器や省エネ機器などの費用を補助する制度で、地球温暖化の防止や、脱炭素社会の実現を目的としています。

対象札幌市民
対象機器・太陽光発電
・定置用蓄電池
・エネファーム(家庭用燃料電池)
・地中熱ヒートポンプ、ペレットストーブ
補助金額・太陽光発電:2万円/kW(上限13.9万円)
・定置用蓄電池:2万円/kWh(上限8万円)
・エネファーム:8万円(定額)
※寒冷地対応要
・地中熱ヒートポンプ:20万円(定額)
・ペレットストーブ:5万円(定額)
条件・未使用品であること
・2025年2月8日以降に設置したものであること など

札幌版次世代住宅補助制度

札幌市内に注文住宅を建てる場合、その建築費用を補助する制度です。断熱性能がプラチナもしくはゴールドの場合が対象となります。ただし、申請したからといって、必ず補助されるとは限りません。申請数が多い場合は、抽選となります。

対象住宅居住のために札幌市内に新築住宅を建てる人
対象機器・札幌市内の新築一戸建て
・耐熱性能等級が、プラチナもしくはゴールド等級相当の住宅
※建売住宅は対象外
補助金額・プラチナ:220万円
・ゴールド:180万円
条件・耐熱性能等級が、プラチナかゴールド
・2025年4月以降に工事完了した建物

千葉市

千葉市には、住宅の新築や引っ越しにかかる費用を助成する制度や、再生可能エネルギー機器導入の補助金制度などがあります。以下では、「三世代同居・近居支援事業」と「再生可能エネルギー等設備導入補助金」について、詳しく見ていきましょう。

三世代同居・近居支援事業

親・子・孫の三世帯で同居する場合、または近隣に住居を構える場合の、住宅購入や引っ越しにかかる費用を助成する事業です。

対象千葉市内で、
・三世代同居を開始する人
・三世代で近居を開始する人(直径1km以内)
支援対象・新築・増築工事費用
・引っ越し費用 など
補助金額最大50万円
※ただし、千葉市内の業者を利用した場合は最大100万円
条件・親:65歳以上、孫:18歳未満である
・千葉市内に1年以上居住している
・税金の滞納なし
・同居・近居を3年以上継続する

千葉市再生可能エネルギー等設備導入補助金

住宅に、再生可能エネルギー機器や省エネ設備を導入する際の費用を補助する制度です。地球温暖化対策の推進を目的のひとつとしています。

対象千葉市内に住宅を所有している人、もしくは居住している人
対象住宅新築住宅・既築住宅
対象設備・太陽光発電システム(既築のみ)
・蓄電池
・省エネ関連機器
・窓の断熱改修(既築のみ)
補助金額・太陽光発電システム:最大6万円
・ZEH:10万円
・家庭用燃料電池システム(エネファーム):10万円
・定置用リチウムイオンテイクデンシステム:7万円
・窓の断熱改修:最大8万円

さいたま市

さいたま市では、2025年度から新たに新設された制度があります。ここでは、「省エネ・断熱住宅普及促進補助金」について紹介します。

省エネ・断熱住宅普及促進補助金

さいたま市内にZEH認証住宅を新築した場合や、既築住宅に省エネ給湯器を設置した場合などに補助金が受け取れる制度です。地球温暖化防止の推進や、環境への負荷軽減の実現を目的としています。

対象さいたま市内の新築住宅・既築住宅の所有者
対象住宅・設備・新築のZEH認証住宅
・断熱改修
・省エネ給湯器設置
補助金額・ZEH(新築):最大30万円
・断熱改修(既築):最大20万円
・省エネ給湯器設置(既築):最大10万円

静岡市

静岡市に住んでいる場合は、省エネ性能の高い住宅向けの補助金制度や、静岡産の資材を使った住宅を対象とした補助金制度が利用できます。ここでは、静岡市民が利用できる、「令和7年度 省エネ住宅新築等補助制度」と「住んでよし しずおか木の家推進事業」、2つの静岡県の制度について、詳しく見ていきましょう。

令和7年度 省エネ住宅新築等補助制度

省エネ性能が高い住宅を建築・購入する際に、その費用の一部を助成する制度です。脱炭素社会の実現を目的としています。なお、静岡県内の木材を使った住宅の場合は、その割合によって追加補助が受けられるのも特徴です。

対象・一戸建ての住宅
・県内の中小工務店が施工した住宅
・ZEH水準の省エネ性能を満たしている住宅
・子育て世帯・若者夫婦世帯※以外の世帯

※子育て世帯:18歳未満の子どもがいる世帯、若者夫婦世帯:夫婦のどちらかが39歳以下の世帯
補助金額定額40万円

さらに「しずおか優良木材等」を使用すると、使用割合によって最大40万円追加で補助してもらえる場合があります。

住んでよし しずおか木の家推進事業

静岡県内の木材の利用促進のための事業で、新築住宅に静岡県内の木材を一定量使っている場合に補助金が出ます。

対象住宅静岡県内に新築する住宅や、増改築・リフォームを行う住宅
補助金額木材の使用量に応じて、最大30万円
条件・しずおか優良木材等を使用していること
・しずおか木の家推進事業者が設計・施工すること

名古屋市

名古屋で注文住宅を建てる際は、「住宅等の脱炭素化促進補助金」を活用するのがおすすめです。

令和7年度 住宅等の脱炭素化促進補助金

新築の一戸建てに、太陽光発電や蓄電池などを設置する際の費用を補助する制度で、脱炭素化の促進を目的としています。

対象名古屋市内の新築住宅
対象設備・太陽光発電システム
・蓄電池
・HEMS
・V2H充放電設備
補助金額・太陽光発電:1〜3万円/kW(新築・既築によって異なる)
・蓄電池:1.5万円/kWh
・V2H充放電設備:5万円/件
・HEMS:1万円/台
・エネファーム:3万円/件
条件・なごや太陽光倶楽部への入会
・設備は未使用品であること

京都府

京都府には、省エネ住宅の建築に関する費用を補助する制度、地元の資材を使用して住宅を建築した場合の補助制度などがあります。ここでは、「京都府 ZEH補助金(京都府住宅脱炭素化促進事業補助金)」と「ひろがる京の木整備事業(住宅タイプ)」について紹介します。

京都府 ZEH補助金

省エネ住宅基準を満たした住宅に対して補助金が出る制度です。

対象者京都府内に居住するための住宅を新築・購入した人
対象住宅・ZEH
・Nearly ZEH
・ZEH Oriented
補助金額基本15万円
条件・住宅の引き渡し前であること
・府税の滞納がないこと

補助金額は基本15万円ですが、以下の条件に当てはまる場合は、さらに25万円が上乗せで補助されます。

  • 京都再エネコンシェルジュが設計もしくは施工を行った住宅
  • 京都府内産の木材や、北山丸太製品・京銘竹製品を使用しており、「ひろがる京の木整備事業(住宅タイプ)」の補助金工夫を受ける住宅

ひろがる京の木整備事業(住宅タイプ)

京都府産木材認証制度で認証されている木材を使った住宅を建築する場合に、その費用を補助する制度です。

対象京都府内に新築または増改築する木造住宅
使用木材・京都府産認証済み木材
・北山丸太製品
・京銘竹製品
補助金額上限40万円(多子世帯用住宅は60万円)

福岡市

福岡市には、新築住宅に再生可能エネルギー設備や、省エネ機器を導入する際、その費用を補助する制度があります。以下では、「住宅用エネルギーシステム導入支援事業」について見ていきましょう。

住宅用エネルギーシステム導入支援事業

対象福岡市内の新築住宅の所有者もしくは設備設置者
対象設備・太陽光発電システム
・エコキュート等の省エネ設備
補助金額<戸建ての場合>
・住宅用太陽光発電システム:2万円/kW(上限10万円)
・リチウムイオン蓄電システム:機器費の1/2(上限40万円)
・V2Hシステム:機器費の1/2(上限20万円)
・エコキュート:定額2万円
・家庭用燃料電池:定額5万円
条件・設備は未使用であること
・エコキュートと家庭用燃料電池は、いずれか一方のみ申請可能

補助金を申請する際の注意点は?

補助金を申請する際は、いくつか注意するポイントがあります。補助金は、年度ごとに内容が更新されるほか、補助金によっては併用できないものも。事前にそれらの情報をリサーチしておくことで、最大限に補助金を活用できるでしょう。

最新の情報を収集する

制度は毎年内容が更新され、対象となる住宅や補助される金額などが変更になる可能性があります。そのため、申請を検討する際は、必ず公式のページで最新の情報を確認することが大切です。

例えば「子育てエコホーム支援事業」は、2024年度までは、長期優良住宅とZEH水準住宅が対象でしたが、2025年度からは「GX志向型住宅」が新たに追加されました。このように、これまでは対象外であったものが、あるタイミングから対象になるほか、補助要件が緩和される場合もあるので、常に最新の情報をチェックしておきましょう。

また、ほとんどの補助金は各事業者が申請の窓口です。任せっきりにしてしまうと、必要書類が足りないなどの理由で、締切に間に合わないことも考えられます。進捗や不明点などをこまめに確認しておくと安心です。

補助金を併用できるか確認する

国の補助金である、「子育てグリーン住宅支援事業」「給湯省エネ2025事業」「ZEH化等支援事業」は、原則として併用できないため、いずれか1つを選ぶ必要があります。

どの制度が、建築する家に一番適しているのか、より多く補助金を受けられるのかをしっかり確認しましょう。

一方、地方自治体の補助金や助成金は、国費が充当されていないものであれば併用可能ですが、補助金ごとでルールが異なるため、必ず事前に確認が必要です。

国の補助金と地方自治体の補助金をうまく活用するには、どの制度であれば併用できるかを、国土交通省や環境省のページを見て事前にリサーチしましょう。あわせて、申請する事業者に相談するのもひとつです。

申請のタイミングを確認する

補助金制度は、申請期間があらかじめ決められています。当然ですが、期間外の申請は認められません。期間内であっても、予算の上限に達したタイミングで締め切られるケースが多いため、注意が必要です。また、ほとんどの補助金は、着工後の申請は対象外のため、必ず着工前に申請してください。

申請する際は、必要な書類の取り寄せや準備の時間を考慮したうえで、余裕のあるスケジュールで進めることが大切です。制度を併用する場合は、申請日が異なることもあるため、どの補助金をいつまで申請すべきかをしっかり把握して進めましょう。

なお、申請が通ったからといって、すぐに補助金が入金されるわけではありません。交付後、家が完成して完了報告をしてから審査に入るため、補助金が振り込まれるのは、完了報告から数か月後になるのが一般的です。

申し込みが多いと、さらに遅延する場合もあり、資金準備にも影響するでしょう。その点も考慮したうえで早めに進めるのがおすすめです。

補助金と併用すると良い減税制度

補助金とあわせて知っておく必要があるのが、減税制度です。補助金と併用することで、さらに住宅購入費用の負担を減らせます。以下では、主な建築費用について紹介します。

住宅ローン控除

住宅ローン控除とは、住宅ローンの年末残高に応じて所得控除が受けられるもので、2025年までは控除率は0.7%とされています。控除期間は、原則13年間です。

住宅ローン控除の申請は、確定申告で行います。通常、確定申告は2月から行われますが、住宅ローン控除の場合は1月から申告可能です。住宅を購入した翌年の1〜3月の間に確定申告をしましょう。会社員であれば、翌年からは年末調整のみで控除が受けられます。

なお、住宅ローン控除を申請するには、床面積や所得に関する以下の条件をクリアしていなければいけません。

  • 床面積:床面積が50平方メートル以上
    ※所得1,000万円以下の場合は40㎡から対象
  • 年間所得:申告者の合計所得金額が2,000万円以下

申請したタイミングにもよりますが、申請からおよそ1か月半後に、指定口座に還付金が振り込まれます。

登録免許税の軽減措置

登録免許税とは、不動産の権利登記をする際にかかる税金です。新築の注文住宅の場合、軽減措置が適用され、以下のように税率が下がります。

登録免許税の種類 概要本則の税率 軽減措置後の税率 
所有権保存登記建物の所有者を登録する手続き0.4%0.15%
抵当権設定登記住宅ローンを契約する際、担保にする不動産を登録する手続き0.4%0.1%

軽減措置によって登記費用の負担が軽減されるため、住宅購入にかかる総費用を抑えられ、補助金と併用することでより効果的です。

なお、この軽減措置は2026年3月31日まで適用されます。ただし、期間が延長される可能性もあるため、随時最新の情報をチェックしましょう。

不動産取得税の軽減措置

不動産取得税とは、購入した土地や建物に対して課される地方税のことです。本来の税率は4%ですが、軽減税率によって、2027年3月31日までは3%で計算されます。

<建物>

建物控除額計算式
新築住宅1,200万円(固定資産税評価額-控除額)×戸数×3%
認定長期優良住宅
認定低炭素住宅
1,300万円(固定資産税評価額-控除額)×戸数×3%

認定長期優良住宅・認定低炭素住宅の場合は、控除額が100万円増額されます。

<土地>

土地の不動産取得税は、「土地の固定資産税評価額の1/2×税額3%-特例減税額」の計算式で算出します。

なお、特例減税額は、「45,000円」もしくは「土地1㎡あたりの価格×住宅床面積×2÷2」のどちらか大きい額になります。

固定資産税の軽減措置

住宅購入者の負担軽減や良質な住宅の建設促進を目的に、固定資産税の軽減措置の制度が設けられました。対象住宅や条件、減額内容は以下の通りです。

対象住宅2026年3月31日までに新築された住宅
条件住宅部分の床面積が50平方メートル以上280平方メートル以下
※減額の対象となるのは、最大120平方メートルまで
減額内容建物部分の固定資産税が1/2に減額
┗ 一戸建て:新築後3年間
┗ 3階建以上の耐火・準耐火構造住宅:新築後5年間
┗ 長期優良住宅:新築後5または7年

なお、固定資産税の軽減措置については、原則申告は不要です。ただし、長期優良住宅など、特例の延長が認められる場合は、各市区町村へ申請しましょう。

贈与税の軽減措置(資金援助を受けた場合)

住宅を建築するにあたり、父母や祖父母などの親族から資金援助を受けた場合は、贈与税の申告が必要です。しかし、軽減措置(住宅取得等資金の贈与税非課税措置)によって、最大1,000万円までは非課税となります。

対象(非課税の枠)・省エネ・耐震・バリアフリー住宅:1,000万円
・その他の住宅:500万円
控除額最大1,100万円(贈与税の基礎控除110万円含む)
住宅の要件・床面積が50平方メートル以上240平方メートル以下の住宅
条件・18歳以上
・所得の合計が2,000万円以下
・贈与年1月1日時点で、日本国内に在住
・贈与翌年の3月15日までに居住を開始する

なお、対象となる贈与税は、あくまで住宅購入の資金に使用するものであって、住宅ローンを返済するための資金は対象外です。

印紙税の軽減措置(住宅ローンを契約する場合)

住宅ローンの契約書・工事請負契約書・売買契約書などには印紙税がかかります。これにも軽減措置の適用によって最大50%軽減されるため、負担を減らせます。

契約金額本則に基づく印紙税軽減税率後の印紙税
10万円〜50万円400円200円
50万円〜100万円1,000円500円
100万円〜500万円2,000円1,000円
500万円〜1,000万円10,000円5,000円
1,000万円〜5,000万円20,000円10,000円
5,000万円〜1億円60,000円30,000円

なお、現行の制度では、2026年3月31日までの契約が軽減対象です。ただし、これまでの経緯から見ると期間が延長される可能性もあるため、必ず最新の情報をチェックしましょう。

【比較表】補助金・減税制度一覧

ここまで紹介した、国補助金と減税制度を表にまとめました。住宅購入の際、どれが適用されるかをチェックしてみてください。

種類制度補助金・減税額対象者・対象住宅適用期限
国の補助金子育てグリーン住宅支援事業最大160万円(GX型)子育て世帯・若者夫婦世帯、省エネ住宅2026年3月31日まで
給湯省エネ2025事業最大23万円(基本16万円+条件次第で7万円加算)新築・既存住宅の給湯設備導入者予算終了まで
ZEH化等支援事業ZEH 55万円ZEH+  90万円他ZEH住宅建築者予算終了まで
国の減税制度住宅ローン控除年間最大0.7%×13年住宅ローン利用の自己居住用住宅所有者2025年末入居まで
登録免許税軽減・所有権0.4%→0.15%・抵当権0.4%→0.1%新築住宅所有者2026年3月31日まで
不動産取得税軽減固定資産税評価額から1,200万円控除新築住宅購入者2027年3月31日まで
固定資産税軽減建物部分1/2減額 (3~7年)令和8年3月31日までに新築された住宅所有者2026年3月31日まで
贈与税軽減(住宅資金贈与)最大1,000万円非課税(基礎控除含むと最大1,100万円)直系尊属から住宅取得資金の贈与を受けた18歳以上2026年12月31日まで
印紙税軽減(住宅ローン等)最大50%軽減住宅ローン契約者、新築住宅契約者2026年3月31日まで

【2025年対応】補助金&減税を併用したモデルケース

国補助金と減税制度は上手に活用することが大切。併用することで、住宅購入費用の負担をさらに減らせます。ここでは、具体的な併用イメージをまとめました。なお、以下はあくまでモデルケースです。実際は、居住地域や個々の条件によって補助金額や減税額が異なるので、必ず公的機関の最新情報のチェックをし、不明点は専門家に相談しましょう。

30代子育て世帯の場合|共働き・世帯年収1,000万円

子育て世帯の場合は、子育てに関する優遇措置をフル活用するのがおすすめです。

<4,000万円の省エネ性能が高い注文住宅を新築する場合のシミュレーション>

利用する制度補助金額・減税額(想定)
国の補助金制度
※いずれか1つを選択
子育てグリーン住宅支援事業160万円
ZEH化等支援事業55万円
国の減税制度住宅ローン控除約28万円(4,000万円のローン残高想定)
※初年度
登録免許税軽減合算して約60万円
不動産取得税軽減

子育てグリーン住宅支援事業とZEH化等支援事業は、双方ともに「住宅本体の性能」を対象とした補助金のため、併用できません。選択の仕方によって軽減額に差が出るので、しっかりと比較検討したうえで決めましょう。

このシミュレーションでは、子育てグリーン住宅支援事業を利用した場合は約248万円、ZEH化等支援事業を利用した場合は約143万円、初年度に軽減されます。

なお、共働きの場合は、夫婦それぞれで住宅ローン契約を結ぶ「ペアローン」を検討するのも1つです。それぞれが控除対象になるため、住宅ローン控除を2人分受けられるというメリットがあります。

地方在住の40代夫婦の場合|年収700~900万円、子どもなし

地方在住の人が新築の注文住宅を建てる場合は、国の補助金だけではなく、地方自治体の補助金も活用しましょう。地域の特性に合わせた制度もあるため、国の制度と併用することで、負担をより軽減できます。

<3,500万円の長期優良住宅を新築する場合のシミュレーション>

利用する制度補助金額・減税額(想定)
国の補助金ZEH化等支援事業55万円(ZEH)
地方自治体の補助金福岡市 住宅用エネルギーシステム導入支援事業10万円
国の減税制度住宅ローン控除約24万円(3,500万円のローン想定)
※初年度
登録免許税軽減合算して
約50万円
不動産取得税軽減

このシミュレーションの場合、初年度は約139万円軽減できる見込みです。

子どもがいない若年夫婦の場合|年収約600万円以下

年齢が若い夫婦の場合は、若者夫婦向けの補助金制度を上手に活用しましょう。特に、省エネ性能の高い住宅を購入する場合は、大きな支援を受けられる可能性があります。

<3,000万円の省エネ基準住宅を新築する場合のシミュレーション>

利用する制度補助金額・減税額(想定)
国の補助金制度子育てグリーン住宅支援事業若者夫婦世帯向け最大80万円
給湯省エネ2025事業最大16万円+追加7万円
→最大23万円
※初年度
国の減税制度住宅ローン控除約20万円(3,000万円のローン想定)
登録免許税軽減合算して
約40万円
不動産取得税軽減

国の補助金は原則併用できませんが、子育てグリーン住宅支援事業と給湯省エネ2025事業とでは対象分野が異なるため、原則併用可能です。このシミュレーションの場合、初年度は合計163万円を軽減できます。

注文住宅で補助金を利用する際の流れとポイント

住宅建築に関する補助金を申請したい場合、申請のタイミングや必要な書類、代行する事業者など、いくつかの条件を満たす必要があります。せっかく補助の対象であっても、手続きを誤ってしまうと補助を受けられない可能性も。そこでここでは、補助金を利用する際の流れやポイントについて押さえておきましょう。

1.事業者(登録住宅会社)を確認する

補助金の申請は、原則としてハウスメーカーや工務店といった住宅事業者が代行して行います。そのため、建築を依頼する事業者が補助金に対応しているかどうか、必ず事前に確認しておくことが大切です。

例えば、省エネ住宅の施工実績や補助金申請の経験がある登録事業者を選ぶと、手続きがスムーズに進みやすくなります。

なお、制度によっては、公式サイトで登録住宅事業者を検索できる場合があります。そのような情報も参考にしながら、信頼できる事業者を選ぶことで、申請書類の不備防止や、スムーズな承認につながるでしょう。

2.補助金の種類と内容を理解する

ここまで見てきたように、国や地方自治体独自など管轄の異なるもの、省エネや子育てなど対象が異なるものなど、補助金の種類は豊富です。それぞれの制度で、併用の可否や対象条件が異なるため、どれが自分たちに適しているのか、利用可能なのかを、事前に把握しておく必要があります。

特に、国が実施する複数の補助金の中で、補助金対象が同じ分野のものは、基本的に併用が認められていません。どの制度を優先して利用するのかも慎重に検討しましょう。

3.必要書類をそろえて申請し審査に入る

補助金の申請には、工事請負契約書や性能証明書、住民票、身分証明書、工事写真など、さまざまな書類が必要です。手続きを行う事業者が取りまとめて用意してくれることがほとんどですが、不備や記載漏れがあると、審査に通らない可能性があるため注意が必要です。

また、申請書を提出した後、すぐに補助金を受け取れるわけではありません。審査を経て交付が決定されるまでには一定の時間がかかるので、余裕を持ったスケジュールで申請を進めましょう。

4.着工前に交付申請する

ほとんどの補助金は、着工前や基礎工事が完了した段階で交付申請を行う必要があります。また、予算がなくなり次第、申請受付が締め切られる仕組みのため、早めに手続きを進めることが大切です。

申請が遅れると補助金を受けられない可能性もあるので、あらかじめスケジュール管理を徹底しておきましょう。

5.完了報告後、補助金が交付される

工事が完了した後には、施工状況の報告や証明書類の提出が必要です。審査を経て問題がなければ補助金が交付されますが、実際に振り込まれるまでには、数か月かかるケースもあります。

また、施工事業者や登録住宅事業者を通じて入金されるのが一般的なので、受け取るまでの資金繰りについても、あらかじめ考慮しておくことが大切です。

注文住宅の補助金に関するQ&A

注文住宅の補助金については、「いつもらえるのか」「条件や工事計画が変わった場合はどうなるのか」などの疑問を持つ人も多いはずです。ここでは、注文住宅に関するよくある質問をまとめました。

補助金はいつもらえる?

補助金は、新築工事が完了したあとに完了報告書や必要書類を提出し、審査を通過してはじめて交付されます。実際に振り込まれるまでには、完了報告から数週間〜数か月かかることも少なくありません。

また、多くの制度では補助金が施工事業者に支払われるため、手元に入金されるまでは、さらに時間がかかる可能性があります。

なお、補助金を受け取るためには、交付申請後に工事が完了したことを報告することが必須です。これにも期限が設けられており、申請が通ったとしても完了報告が期限まで行われないと、補助金が受け取れない場合があるので注意しましょう。

申請後に条件が変わったら?

補助金の申請後、制度や条件が変わるケースもあります。基本的には申請した時点の内容をもとに審査されますが、制度が大きく変わった場合は、再申請や書類の修正が必要になるケースもあります。

なお、申請後に工事計画や住宅の仕様を変更する場合は、事務局や登録事業者に必ず連絡し、承認を得なければいけません。申請内容と完成した建物が一致しない場合、補助金が受けられなくなる可能性があります。

地方の補助金の情報はどうやって集めたら良い?

地方自治体の補助金については、市区町村や県の公式ウェブサイトに掲載されている内容を見るのが確実。加えて、自治体の担当窓口に直接問い合わせるのも有効です。

建築を担当してくれている、ハウスメーカーや工務店などの住宅事業者も、地域の補助金情報を把握していることが多いので、相談してみましょう。

そのほか、住宅情報サイト、専門の検索サービス、新聞や広報誌といった複数の情報源を活用することで、見落とし防止につながります。

注文住宅にまつわる補助金の知識を深めて、理想の家をお得に建てよう

2025年の注文住宅に関する補助金制度は、省エネ性能の向上や子育て世帯の経済的な負担に配慮されているのが特徴です。国の補助金は補助額が大きい一方、ほかの制度と併用できない場合があるため、どの制度を利用するか慎重に見極める必要があります。利用を検討する際は必ず最新の情報を確認したうえで、自分たちに適した制度を活用して、理想の住まいを賢く建てましょう。

コストを抑えて注文住宅を建てたいなら、「建築市場」を利用するのもおすすめです。施主と建築士・職人を直接つなぐ新しい仕組みで、ハウスメーカーを介さない分、中間コストを削減できます。素材選びや造作収納などフルオーダーの家づくりが可能で、費用の不透明さや意思疎通の不安も解消。補助金とあわせて活用すれば、より賢く理想の住まいを実現できます。

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