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一戸建ての火災保険の相場はいくら?保険料の決まり方や費用を抑える方法も解説

火災保険は火災だけでなく、台風や水災など思わぬ自然災害から大切な住まいを守る役割を果たします。保険料は建物の構造や立地、補償内容などによって変動しますが、なるべく費用を抑えたいと考える人も多いでしょう。今回は、一戸建ての火災保険の相場や保険料の決まり方、さらに費用を抑える工夫について詳しく解説します。

【構造別】一戸建ての火災保険の相場はいくら?

火災保険の保険料は建物の築年数や延床面積、所在地、補償内容など、さまざまな要素を掛け合わせて決定されるため、一概に「〇〇万円」とは言えません。しかし、建物の「構造級別」を用いることで相場は把握できます。構造級別とは、建物の柱や壁、屋根などに使われている素材や工法を基準に、耐火性能の違いによって区分されるものです。

構造級別には「M構造(マンション構造)」「T構造(耐火構造)」「H構造(その他の構造)」の3つがあり、基本的に木造の一戸建ては「H構造」に、鉄筋・鉄骨の一戸建ては「T構造」に該当します。ここでは保険会社のシミュレーションを用いて、火災保険の相場を構造級別に見ていきましょう。

【木造(H構造) 】一戸建ての火災保険料の一例

木造一戸建て(H構造)では、以下の条件を用いて大手3社のシミュレーションを行いました。地震保険あり・なしの2パターンを出しています。

<見積もり条件>
補償範囲:火災、落雷、破裂・爆発、風災、雹(ひょう)災、雪災、水ぬれ、盗難、水災、破損、汚損等
所在地:東京都
建築年月:2025年
構造:H構造(木造)
面積:100㎡
保険期間:5年
建物保険金額:2,230万円(地震保険1,115万円)
家財保険金額:500万円(地震保険250万円)
支払方法:一括払い

▼地震保険あり

保険会社保険金額(1年契約)保険金額(5年契約)
A社82,190円389,300円
B社76,209円381,045円
C社81,530円377,330円

木造一戸建て(H構造)の地震保険付きの火災保険料は、5年契約の一括払いで37万円~39万円程度が目安です。

▼地震保険なし

保険会社保険金額(1年契約)保険金額(5年契約)
A社31,680円151,920円
B社27,542円121,190円
C社27,040円121,710円

木造一戸建て(H構造)の地震保険なしの火災保険料は、5年契約の一括払いで12万円~15万円程度が目安です。地震保険の有無によって20万円以上の差が生まれています。

【鉄筋・鉄骨(T構造) 】一戸建ての火災保険料の一例

鉄骨一戸建て(T構造)では、以下の条件を用いて大手3社のシミュレーションを行っています。手前で紹介した木造一戸建て(H構造)とは、建物の保険金額が異なっていますのでご注意ください。

<見積もり条件>
補償範囲:火災、落雷、破裂・爆発、風災、雹(ひょう)災、雪災、水ぬれ、盗難、水災、破損、汚損等
所在地:東京都
建築年月:2025年
構造:T構造(鉄骨)
面積:100㎡
保険期間:5年
建物保険金額:3,510万円(地震保険1,755万円)
家財保険金額:500万円(地震保険250万円)
支払方法:一括払い

▼地震保険あり

保険会社保険金額(1年契約)保険金額(5年契約)
A社74,890円354,830円
B社72,304円354,210円
C社71,650円331,360円

鉄骨一戸建て(T構造)の地震保険付きの火災保険料の目安は、5年契約の一括払いで33万円~35万円程度です。

▼地震保険なし

保険会社保険金額(1年契約)保険金額(5年契約)
A社25,170円121,640円
B社22,584円99,602円
C社28,150円126,450円

鉄骨一戸建て(T構造)の地震保険なしの火災保険料の目安は、5年契約の一括払いで10万円~12万円程度です。木造一戸建て(H構造)と同じく、地震保険の有無によって20万円以上の差があることがわかります。

保険料だけを見ると地震保険なしの方が魅力的に感じるかもしれませんが、地震を起因とした火災は火災保険の補償対象外です。公的支援だけでは再建費用が不足するおそれもあるので、地震保険を付帯するかどうかは災害リスクも含めたうえで検討しましょう。

【エリア別】一戸建ての火災保険の相場目安

構造級別に加えて、エリア別でもシミュレーションすると、より具体的な保険料をイメージできます。今回は以下の条件を用いて、1都3県(東京都、埼玉県、千葉県、神奈川県)でシミュレーションしました。

<見積もり条件>
補償範囲:火災、落雷、破裂・爆発、風災、雹(ひょう)災、雪災、水ぬれ、盗難、水災、破損、汚損等
建築年月:2025年
面積:100㎡
保険期間:5年
建物保険金額:2,230万円(地震保険1,115万円)
家財保険金額:500万円(地震保険250万円)
支払方法:一括払い

【東京都千代田区】

▼地震保険あり

A社B社C社
木造(H構造)429,540円396,290円383,260円
鉄筋・鉄骨(T構造)276,100円254,765円250,220円

▼地震保険なし

A社BC社
木造(H構造)165,820円143,740円148,490円
鉄筋・鉄骨(T構造)99,600円85,515円93,210円

【埼玉県さいたま市】

▼地震保険あり

A社B社C社
木造(H構造)424,120円390,135円385,520円
鉄筋・鉄骨(T構造)266,410円246,920円244,850円

▼地震保険なし

A社B社C社
木造(H構造)160,400円137,585円150,750円
鉄筋・鉄骨(T構造)96,330円83,770円93,510円

【千葉県千葉市中央区】

▼地震保険あり

A社BC社
木造(H構造)431,790円437,460円399,350円
鉄筋・鉄骨(T構造)277,900円277,920円258,670円

▼地震保険なし

A社B社C社
木造(H構造)168,070円184,910円164,580円
鉄筋・鉄骨(T構造)101,400円108,670円101,660円

【神奈川県横浜市中区】

▼地震保険あり

A社B社C社
木造(H構造)442,000円382,208円403,980円
鉄筋・鉄骨(T構造)283,140円243,802円260,260円

▼地震保険なし

A社B社C社
木造(H構造)178,280円144,828円169,210円
鉄筋・鉄骨(T構造)106,640円85,052円103,250円

このように、エリアによって火災保険料は若干変動します。また、同じ条件でも保険会社によって保険料に差があるので、複数を比較検討した方が良いでしょう。

一戸建ての火災保険料を決める78つの要素

火災保険料は一律ではなく、建物の条件や契約内容などによって変動します。ここでは、一戸建ての火災保険料に影響する代表的な要素を解説します。

1. 建物の構造

先述した通り、建物の構造級別は火災保険料に大きな影響を与えるポイントです。M構造は鉄筋コンクリート造のマンションなどに多く、耐火性能の高さから保険料は最も安くなります。

T構造は鉄骨造やコンクリート造の一戸建て、または省令準耐火建築物などが該当し、耐火性に優れるため比較的低い保険料で契約できるのが特徴です。H構造は木造住宅に多く、火災による被害を受けやすいので、3つの中で最も保険料が高く設定されます。

2. 建物の築年数

築年数も火災保険料に影響する重要な要素です。新しい建物ほど設備や構造が健全で、事故や損害のリスクが低いため保険料は安くなります。

一方で築年数が古いほど、給排水設備の劣化や耐久性の低下によるリスクが高まるため、保険料は割高となります。保険会社によっては「築5年未満」「築10年未満」など細かい区分を設け、築浅の住宅には割引を適用するケースもあります。

なお、あまりにも築年数が古い住宅では、そもそも火災保険に加入できない場合がある点には注意が必要です。

3. 建物の所在地

台風や豪雪、洪水、土砂災害といった自然災害の発生リスクは地域ごとに異なるため、建物の所在地も保険料に大きく関わります。例えば河川の近くや山間部に位置する住宅は、水害や土砂災害の危険性が高いので、平地にある住宅より保険料が高くなる傾向にあります。

2022年以降、多くの保険会社で「水災リスク区分」が導入され、全国一律ではなく市区町村単位で1等地から5等地まで分類されるようになりました。これにより、水災リスクが高いエリアほど保険料は上昇します。所在地のリスクは自治体が公表しているハザードマップで確認できるので、契約前にチェックしておくと安心です。

4. 建物の面積

建物の専有面積は保険料を算定する基準のひとつで、広ければ広いほど補償対象が増えるため、保険料は高くなります。延べ床面積が広い建物は火災が発生した際の被害規模も大きくなることから、保険金額が高く設定されやすいのです。特に一戸建てはマンションより面積が広い傾向にあるため、同じ条件でも保険料は高めになりがちです。

建物の面積は、登記事項証明書や建築確認申請書などの公的書類で確認できます。新築の場合は建築確認書に詳細な数値が記載されているので、確認しやすいでしょう。

5. 補償内容

火災保険は火災だけを補償するものではなく、落雷や風災、雪災、雹災、水災など幅広い自然災害や、水漏れ・盗難といった損害も補償対象に含めることができます。例えば落雷による家電の故障、台風で飛来物が窓を破損した場合、積雪で屋根や雨どいが壊れた場合なども補償の対象です。

また、大雨による河川氾濫で床上浸水したケースなども水災補償で対応できます。これらに加え、残存物取片付け費用や失火見舞い費用といった付随的な補償も基本プランに含まれていることが多く、保険会社ごとに内容に大きな差はありません。

さらに「個人賠償責任補償特約」「類焼損害補償特約」「弁護士費用特約」などを付帯すれば、日常生活でのトラブルや、近隣への損害まで幅広くカバーできます。

ただし、補償を手厚くするほど保険料は高くなるため、居住地域の災害リスクや家庭の事情に合わせて必要な範囲を選ぶことが大切です。例えば水害の少ない地域では水災補償を外す、逆に台風や洪水が多い地域では必ず付けるなど、バランスを考えて設定するのが理想的です。

6. 保険期間と支払い方法

現在、火災保険の契約期間は1年から最長5年まで選択できます。かつては10年や20年といった長期契約も可能でしたが、自然災害リスクの増加により5年が上限となりました。

一般的に契約期間を長く設定すると長期割引が適用され、総支払額は割安になります。支払い方法も月払い、年払い、一括払いから選べますが、最も割安なのは一括払いです。

しかし、一度にまとまった金額を支払う必要があるため、家計の状況を考えて無理のない方法を選びましょう。

7. 割引制度

多くの保険会社では、条件を満たすことで保険料を割引できる制度を用意しています。また、地震保険には「耐震等級割引」や「免震建築物割引」といった制度もあり、耐震性能が高い住宅ほど保険料を抑えられる仕組みです。これらの割引制度を活用できれば、無駄なく保険料を下げることができます。

一戸建ての火災保険料を抑える方法は?

火災保険は加入が必須ではないものの、一戸建てにとっては実質的に欠かせない備えです。ただし補償を広げすぎると家計の負担になります。そこで、無理なく保険料を抑える方法を紹介します。

必要な補償を設定する

火災保険は幅広い補償を付けられますが、多くを盛り込むほど保険料は高くなります。そのため、自宅に必要な補償だけを選ぶことが重要です。

例えば、河川や海に近い地域の一戸建てであれば水災補償は必要ですが、マンション高層階なら不要な場合もあります。同様に、近隣に住宅が少ない環境では類焼損害補償を外す選択肢もあります。

補償を検討する際の基準は、「被害を受けた場合に生活に大きな支障が出るかどうか」です。自己資金で対応可能なリスクは補償から外し、必要性が高い補償だけを選ぶと保険料を無理なく抑えられます。

家財補償額は必要な分だけ設定する

家財補償は建物とは異なり、必ずしも100%に設定する必要はありません。生活に必要な最低限の家具や、家電を買い直せる程度に設定すれば十分な場合もあります。

例えば、家具や電化製品に大きな投資をしていない、または所有物が少ない場合、高額な家財補償はかえって無駄になります。契約前に一度、自宅にある家具や家電の総額を試算し、本当に必要な金額だけを設定しましょう。こうした見直しを行うことで、無駄な補償を避けつつ保険料を抑えることが可能です。

保険期間を5年にし、一括払いする

火災保険は1年から5年までの期間を選んで契約できますが、長期契約ほど「長期割引」が適用され、1年ごとに更新するよりも総支払額を抑えられます。さらに支払い方法も月払いや年払いより、一括払いの方が割安になるのが一般的です。

例えば5年契約を一括払いにすれば、契約時の出費は大きくなりますが、1年あたりの保険料は最も安くなります。また、途中で解約する場合でも未経過分の保険料は返金される仕組みがあるため、安心して長期契約を選べます。家計への負担とメリットを比較し、可能であれば長期・一括払いを選ぶのが賢い方法です。

相見積もりを取って比較する

火災保険は会社ごとに補償内容や特約、割引制度が異なるため、相見積もりを取って比較することが重要です。複数の保険を見比べることで、自分の住宅環境に合った補償を選べ、結果的に保険料を抑えやすくなります。

保険会社の割引を利用する

火災保険には、条件を満たすと適用される割引制度があります。代表的なものは以下の通りです。いずれかに該当すれば保険料の割引が期待できます。

割引制度主な対象
築浅割引築年数が浅い住宅
ホームセキュリティ割引警備会社のセキュリティサービスを導入している住宅
オール電化割引オール電化住宅
長期割引契約期間を長く設定した場合
ペーパーレス割引保険証券を電子化(紙での発行を不要)にした場合

火災保険に関するよくある疑問

火災保険については「加入は義務?」「いつ申し込むのが正解?」「見直すタイミングは?」といった疑問を抱く人が多いものです。ここでは、一戸建ての契約者が特に気になりやすい基本的な疑問点をわかりやすく解説します。

火災保険の加入は義務?

火災保険は法律で加入が義務付けられているものではなく、あくまで任意の保険です。しかし住宅ローンを利用する場合、金融機関が融資の条件として火災保険の加入を求めることが一般的です。

つまり、法的な強制力はなくても、実際にはほとんどの人が加入せざるを得ない状況にあります。安心して暮らすためにも、加入を前提に検討することをおすすめします。

火災保険に加入する必要性は?

火災保険は「必ずしも火を出した本人が責任を負うわけではない」という法律上の仕組みからも必要性が高い保険です。失火責任法により、重大な過失がない限り火元に賠償責任は発生しません。そのため、隣家の火災が原因で自宅が焼失しても、補償を受けられない可能性があります。

また、日本は台風や豪雨、洪水など自然災害が多く、火災以外のリスクも大きい国です。火災保険は火災や落雷、風災・水災・雪災に加え、水濡れや盗難といった被害まで幅広く補償できるため、生活再建に不可欠な備えとなります。

公的支援は限定的で、住宅の再建には十分な資金が必要になることも多いので、万一に備えて火災保険に加入しておくことが現実的な対策といえるでしょう。

火災保険に加入するタイミングは?

火災保険は、住宅を購入した際には引き渡し日から補償を開始するのが一般的です。引き渡し当日に補償が始まっていなければ、万が一の損害が発生しても補償を受けられません。申し込みから契約成立までには手続きや確認に時間がかかるため、遅くとも引き渡しの2週間前には加入手続きを行うのが安心です。

また、すでに加入中の火災保険を切り替える場合は、現在の契約が終了するタイミングに合わせて新しい契約を開始すると、補償の空白期間を避けられます。

火災保険を見直すタイミングは?

火災保険は一度加入して終わりではなく、環境や生活の変化に合わせて見直すことが重要です。まず、更新時は補償内容をチェックする良い機会です。契約当時にはなかったプランや割引制度が登場していることもあり、比較することで条件を改善できる場合があります。

また、住宅の増築やリフォーム、引っ越し、住宅ローンの借り換えなど、建物に関する変化があったときも見直しのタイミングです。さらに、家族構成の変化により家財の量が増減した場合にも、補償額を調整する必要があります。

現在の契約が本当に適切かを定期的に確認し、必要に応じて見直すことが安心につながります。

火災保険はいつ値上げされた?

火災保険は原則として10月に保険料の改定が行われます。直近10年間で5回の値上げが実施され、2024年10月には全国平均で約13%引き上げられました。背景には台風や豪雨といった自然災害の激甚化、建物の老朽化による事故リスクの増加、さらに資材や人件費の高騰といった社会的要因があります。これらの影響で、今後も値上げが続くと予想されています。

特に注目されているのが「火災保険の2025年問題」です。これは、2015年に最長36年契約から10年契約に短縮された人々が、2025年に一斉に更新を迎える状態を表したものです当時の契約から大幅に保険料率が上昇しており、更新後は2倍近い負担となるケースもあります。

さらに、現在は契約期間の最長が5年に短縮されているため、長期割引の恩恵も受けにくくなっています。複数年契約をしている方も、満期時には保険料が大きく変わる可能性があるので、更新前に補償内容や保険料を必ず見直しましょう。

一戸建ての火災保険料は条件で変わる!納得の契約に向けて

一戸建ての火災保険料は、建物の構造や築年数、所在地、地域の災害リスク、補償の範囲など、さまざまな条件によって変動します。「安ければ良い」「補償が多ければ安心」という単純な判断ではなく、自分たちの暮らしに必要な補償を選び、保険料とのバランスを取ることが大切です。

なお、家づくりと併せて保険の相談も可能なサービスもあります。注文住宅を建てたい施主と、建築士・職人をつなぐ「建築市場」では、保険会社の紹介もしています。家づくりの専門家であるディレクターとエンジニアが施主と建築士・職人の間に入り、円滑なコミュニケーションをサポート。

価格を抑えつつも細部までこだわったフルオーダーが可能で、保険や住宅ローンといった部分まで相談できるので、家づくりに不安がある方でも安心して進められます。理想の注文住宅を建てたい、コストを抑えたいと考えている方は、ぜひ一度ご相談ください。

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