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東京の注文住宅の費用相場は?人気エリアや費用を抑えるポイントまで解説

東京で注文住宅を建てたいと思った時、まず気になるのが「必要な費用」でしょう。なぜなら、東京都の土地代が全国平均よりも高く、さらにエリアによっても大きな差があるためです。本記事では、東京の注文住宅の相場やエリア別の目安、費用が高い理由や、コストを抑える方法を紹介します。

東京で注文住宅を建てる場合の相場は?

注文住宅を建てる場合、住んでいるエリアによって金額に差が出るものです。東京での家づくりを検討しているのであれば、まずは、東京における土地代と建築代の相場を、それぞれ押さえておくことが大切です。

土地代の相場

住宅金融支援機構の「2023年度集計表」によると、東京で注文住宅を建てる場合の土地代の相場は、3,825.3万円。全国平均が1,497.6万円、首都圏の平均が2,277.3万円なので、東京はほかの地域に比べて土地代が高いことが分かります。

さらに、敷地面積は122.0平方メートルで、全国平均の249.9平方メートルの約半分しかありません。それでありながら2倍以上の土地代がかかるという点が大きな特徴です。

東京都の中でも特に人気のエリアである世田谷区や練馬区は、他のエリアと比較して土地代が高いと言えるでしょう。人気エリアの相場については、記事後半で詳しく紹介します。

建築費の相場

以下の表は、住宅金融支援機構の「2023年度集計表」をもとにした、全国・首都圏・東京での、敷地面積・建築費・住宅面積(延床面積)の比較表です。

エリア敷地面積(㎡)建築費(万円)延床面積(㎡)㎡単価
全国249.93,405.8111.230.6
東京122.03,295.5103.331.9
首都圏194.33,402.3108.831.3

参考:住宅金融支援機構「2023年度集計表

東京で注文住宅を建てる場合の建築費の相場は、3,295.5万円。全国平均が3,405.8万円で、首都圏の平均が3,402.3万円で、建築費に関してはそこまで大きな差は見られません。

しかし、延床面積は103.3平方メートルで、全国平均の111.2平方メートルに比べて狭いにもかかわらず、建築費の総額は全国平均並みです。つまり、東京の㎡単価は31.9万円と全国平均の30.6万円より高く、建築費が割高であると言えます。

東京の注文住宅の相場が高い理由は?

東京都で注文住宅を建てようとすると、全国平均と比較すると高値になります。その理由として挙げられるのが、そもそもの土地代が高いことや、狭い土地に家を建てる場合に工数がかかることです。これらの理由について詳しく見ていきましょう。

土地の価格が高い

前項でも触れたように、東京都の土地代は全国平均に比べて大幅に高く、首都圏の中で見ても高め。この理由の一つとして挙げられるのが、人口の増加に伴う用地不足です。

東京都の人口は増加し続けており、2025年8月現在で14,268,182人。住める土地が限られているにもかかわらず、人口が増え続けている状態のため、需要と供給のバランスが取れず、土地の価格が上昇しているのです。

土地が狭く建築に工数がかかる

東京都は土地代が高い分、狭小地に家を建てる事例が多く見られます。間取りやデザインにさまざまな工夫を詰め込むことで、狭小地とは思えないほどの間取りが実現したり、2世帯住宅にしたりと、住む人の理想を叶えているのです。

しかし工夫する分、設計や建築に工数がかかるのも事実。例えば、着工後の基礎工事をする場合、隣地とのスペースが狭いなか足場を確保するために、特殊な作業工賃がかかるケースもあります。

高収入世帯が多く、居住費にかける金額が高い

東京都の「「都民のくらしむき」東京都生計分析調査報告(年報)」にある、「年間収入階級別1世帯当たり年平均1か月間の用途別生計支出-全世帯-」のデータによると、年収1,000万円以上の世帯が2,659世帯と最も多い階層。また、「都民生活に関する世論調査」を見ても、年収900万円以上の世帯においては、暮らしに「まあまあ余裕がある」「十分余裕がある」と回答した世帯が半数以上います。

このような要因から、東京都の注文住宅の費用相場が全国的に見ても高いといえるでしょう。

東京23区内の人気エリア別|注文住宅の相場

東京都とひと口に言っても、エリア別に見ていくと土地代に差があります。まずは、23区内の人気エリア4つをピックアップし、それぞれの地価や目安となる土地代、総費用の目安を紹介します。

世田谷区

世田谷区は、東京都の中でも緑が多いエリア。都心への交通アクセスの便が良いうえに、車移動がしやすいことから、ファミリー層にも人気です。また、防犯対策の強化や、充実した養育施設の豊富さから、安全で住みやすい街としても評価されています。

エリア地価(㎡あたり)敷地面積(東京都平均)土地代(想定)建築費相場(東京都平均)総費用の目安
世田谷区約655,800円122㎡約8,000万円約3,295.5万円約1億1,293万円

参考:東京都「令和5年地価公示 区市町村別・用途別平均価格」、住宅金融支援機構「フラット35利用者調査(2023年度)

世田谷区の土地価格を、東京都の平均敷地面積122㎡で計算すると、約8,000万円。建築費と合わせて1億1,000万円超となり、人気住宅地らしい価格帯です。

目黒区

都心へのアクセスの良さが最大の魅力であるのが目黒区です。多くの商業施設やスーパーなど、生活に便利な施設が豊富なため、買い物には困りません。また、多くの学校や塾、図書館なども整備されているため、子育て世代にも嬉しいといえるでしょう。

エリア地価(㎡あたり)敷地面積(想定)土地代(想定)建築費相場(東京都平均)総費用の目安
目黒区約1,013,300円122㎡約1億2,362万円約3,295.5万円約1億5,657万円

参考:東京都「令和5年地価公示 区市町村別・用途別平均価格」、住宅金融支援機構「フラット35利用者調査(2023年度)

目黒区は、㎡単価が100万円を超えるため、122㎡の敷地を購入した場合、土地代だけで1億2,000万円超と高額です。建築費を含めると総額は1億5,000万円を超え、都内でも特に高額なエリアと言えます。

練馬区

練馬区は自然が豊かなエリアで、公園の数は東京都内で最大です。また、子育て支援が充実しており、ファミリー層においては特に暮らしやすいでしょう。

エリア地価(㎡あたり)敷地面積(想定)土地代(想定)建築費相場(東京都平均)総費用の目安
練馬区約471,100円122㎡約5,747万円約3,295.5万円約9,042万円

参考:東京都「令和5年地価公示 区市町村別・用途別平均価格」、住宅金融支援機構「フラット35利用者調査(2023年度)

練馬区は㎡単価は低いため、土地代は約5,700万円ほど。建築費を加えて9,000万円前後が相場の目安となります。都心に比べれば低めですが、それでも1億円に近づく水準です。

杉並区

スーパーなどの買い物のための施設が充実していて、幅広い層に人気のエリアです。1人あたりの犯罪件数がかなり少ないうえに、子育て支援も充実しているので、小さな子供を持つファミリーにとっても暮らしやすいでしょう。

エリア地価(㎡あたり)敷地面積(想定)土地代(想定)建築費相場(東京都平均)総費用の目安
杉並区約571,100円122㎡約6,967万円約3,295.5万円約1億262万円

参考:東京都「令和5年地価公示 区市町村別・用途別平均価格」、住宅金融支援機構「フラット35利用者調査(2023年度)

杉並区の土地代の総定額は約7,000万円。建築費を加えると1億円前後が目安です。コストと住みやすさのバランスが取りやすいエリアと言えるでしょう。

東京23区外の人気エリア別|注文住宅の相場

東京都の郊外にも人気エリアが多くあります。その中でも人気とされる、八王子市、府中市、武蔵野市、町田市の地価や土地代の目安、総費用の目安を紹介します。

八王子市

八王子市は、さまざまな施設が集結しているエリアで、生活するのに非常に便利です。八王子駅前は発展している一方、少し離れると自然豊かで、落ち着いた暮らしを望む人にも適しています。

エリア地価(㎡あたり)敷地面積(想定)土地代(想定)建築費相場(東京都平均)総費用の目安
八王子市約117,500円122㎡約1,433万円約3,295.5万円約4,729万円

参考:東京都「令和5年地価公示 区市町村別・用途別平均価格」、住宅金融支援機構「フラット35利用者調査(2023年度)

多摩地域の中でも、八王子市は地価が低めで、㎡単価は約11.8万円。同じ価格でも、ゆとりのある敷地を確保しやすいでしょう。

府中市

東京郊外にありながら、特急電車を使えば、都心まで30分もかからずに行ける、交通の便が良いエリアです。比較的治安が良く、また医療環境も整備されているので、子供がいるファミリー層でも安心して生活を送れるでしょう。

エリア地価(㎡あたり)敷地面積(想定)土地代(想定)建築費相場(東京都平均)総費用の目安
府中市約307,500円122㎡約3,751万円約3,295.5万円約7,046万円

参考:東京都「令和5年地価公示 区市町村別・用途別平均価格」、住宅金融支援機構「フラット35利用者調査(2023年度)

府中市の地価は、多摩地域の中でも真ん中あたりの水準です。ある程度の価格はするものの、生活に便利な設備が充実しているため、人気があります。

武蔵野市

武蔵野市には複数路線が走っているため、あらゆるエリアへ好アクセスである点が魅力です。また、買い物のための施設や飲食店なども充実しており、住みやすさを感じられるでしょう。

エリア地価(㎡あたり)敷地面積(想定)土地代(想定)建築費相場(東京都平均)総費用の目安
武蔵野市約719,500円122㎡約8,777万円約3,295.5万円約1億2,072万円

参考:東京都「令和5年地価公示 区市町村別・用途別平均価格」、住宅金融支援機構「フラット35利用者調査(2023年度)

武蔵野市は多摩地区の中でも地価水準が高め。総費用の目安は1億円を超えます。

町田市

都心から電車で30分で移動できるアクセスの良さが魅力のエリアです。14歳までの転入超過数は、全国の政令指定都市以外の中では1位を誇っており、子育てのしやすい街として人気があります。

エリア地価(㎡あたり)敷地面積(想定)土地代(想定)建築費相場(東京都平均)総費用の目安
町田市約157,200円122㎡約1,918万円約3,295.5万円約5,213万円

参考:東京都「令和5年地価公示 区市町村別・用途別平均価格」、住宅金融支援機構「フラット35利用者調査(2023年度)

町田市は㎡単価が約15.7万円と、東京都の中ではかなり低めです。コストを抑えながらも、利便性の高い住宅環境を叶えられるでしょう。

東京で注文住宅を建てる際の費用を抑えるには?

東京都内に注文住宅を建てるとなると、エリアによっては総費用が非常に高額になります。住みやすさに比例して住宅コストが上がるところも多いでしょう。なるべく家づくりの費用を抑えるためには、土地の選び方や補助金制度の利用、間取りやデザインの見直しが有効です。

土地代を抑える

東京都内はエリアによって土地代の差がかなりあるのが特徴です。なるべく地価の低い土地を選んで家を建てれば、総予算を抑えられるでしょう。旗竿地のような、変形した土地や狭い土地を選ぶのも一つ。一見、家を建てにくそうな土地でも、設計やデザイン次第では快適な住空間が叶います。

また、地価が高いエリアであっても、駅から離れた徒歩圏外の場所であれば、地価が低くなる傾向にあります。バスの路線が充実した場所であれば、利便性を保ったまま価格を抑えることも可能です。

東京都の補助金制度を利用する

東京都には注文住宅を建てる際に利用できる補助金制度がいくつかあります。その代表的なものを以下の表にまとめました。

補助金制度対象となる住宅・条件補助内容や金額
東京ゼロエミ住宅助成金東京都内に建てられる 新築の住宅全般※東京都から「東京ゼロエミ住宅」として認証を受けていること住宅建設費太陽光発電設備蓄電池およびV2Hの設置費※最大240万円
子育てグリーン住宅支援事業GX志向型住宅長期優良住宅ZEH水準住宅
※長期優良住宅とZEH水準住宅は、子育て世帯と若者夫婦世帯が対象
GX志向住宅:最大160万円長期優住宅:80万円(+古家除却20万円)ZEH水準:40万円(+古家除却20万円)
ZEH支援事業ZEH水準住宅ZEH:55万円ZEH+:90万円

なお、補助金の内容が変更になる場合があるため、申請前には必ず公式サイトやハウスメーカーで確認するようにしましょう。

コンパクトな間取りにする

いわゆる「小規模住宅」にすることで、土地代と建築代の両方を抑えられます。東京の都市部でも一戸建てを建てるのも夢ではありません。加えて、間取りはシンプルにしてみましょう。

また複雑な形の間取りは、費用が上がる原因。長方形や正方形といった、なるべくシンプルな形状にすることで、壁の面積を減らせてコストを抑えられます。

付帯設備を見直す

備え付けの建具や収納を減らしたり、キッチンをI型にしたりなど、設備も見直してみましょう。設備のグレードそのものをワンランク下げるのも一つです。

照明器具も建築時に取り付けてもらうと、その分費用にプラスされてしまいます。自分で手配できるものや取り付けられるものは、付帯設備の候補から外しましょう。

東京に注文住宅を建てる際に知っておきたい3つのポイント

東京で注文住宅を建てる場合、土地代や建築費が高額になりやすいもの。資金計画の立て方や、都市気候、業者選びに重点を置くことが、理想の住まいづくりには欠かせません。ここでは、東京で家づくりを進める際に意識しておきたい3つのポイントを紹介します。

土地代・建築費のバランスを考えて資金計画を立てる

前項でも触れましたが、注文住宅を建てる時の費用割合は、建築費用と土地代が7:3。しかし、東京都の平均値を見ると、建築費が3,296万円で土地代が3,825万円と、土地代の方が上回っています。土地代の予算がオーバーしそうであれば、エリアの選択肢を広げるなどして、予算を抑える工夫をしましょう。

都市気候に対応した造りにする

長く住むことになる家だからこそ、快適な生活を送りたいもの。そこで大事なのが、都市気候に配慮することです。都市気候とは、東京のように建物が密集している都市部が、ヒートアイランド現象によって高温化・無風化しやすい気候を指します。

このような気候の中で快適な生活を送るためには、断熱性や気密性が高くなるような家づくりがポイントです。加えて、風をうまく取り込めるような間取りにするのもいいでしょう。

土地の有効活用を強みとする業者に建築を依頼する

前項でも触れたように、注文住宅にかける費用を抑える方法の1つとして、小さめの土地や変形地を選ぶ手段があります。これらの特徴の土地に家を建てる場合は、空間を最大限に活かす工夫が必要です。

そのため、狭小住宅の建築を得意とするハウスメーカーや工務店を選ぶと、理想の設計プランが実現しやすいでしょう。実績のある業者であれば、土地や規制に関する知識も豊富なので、家づくりをスムーズに進められるはずです。

相場や建築のポイントを押さえて、東京に理想の注文住宅を建てよう

東京は土地代が高く、全国平均と比べても注文住宅にかかる費用が大きい傾向にあります。しかし、エリアの選び方や補助金の活用、設計の工夫次第で費用を抑えることも可能です。東京全体やエリアごとの相場を把握し、資金計画や業者選びを慎重に進めて、理想の住まいを叶えましょう。

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