自分の理想形にできる、自由度の高さが魅力の注文住宅。一方で、完成までに時間がかかるのも事実です。本記事では、注文住宅の建築を検討している人に向けて、完成するまでの流れや期間の目安、スムーズに計画を進めるコツ、建売住宅との違いなどを詳しく解説します。
注文住宅はどれくらいで完成する?

注文住宅は、情報収集や土地探し、プランの検討などを経てようやく完成します。そのため、完成までにある程度の期間を要するのが一般的です。完成までの期間や、実際に注文住宅を建てた人の、期間に関する声を紹介します。
注文住宅完成までは、10か月〜18か月と長め!
注文住宅を建てるには、比較的長い期間が必要です。土地を探したり、自分たちに合ったハウスメーカーを選んだりするのに加え、プラン設計も行う必要があるため、住める環境が整うまで時間がかかります。
10〜18か月というのはあくまで目安。家のデザインにこだわれば、さらに長期化することもあります。納得のいく結果にするためには、その分打ち合わせをしなければいけません。また、家づくりに関わる行政や銀行への申請などによっても、スケジュールが押すことがあります。なかには、住宅完成までに数年かかったという人もいるほどです。
注文住宅を建てる際は、長期的なプロジェクトであることを理解し、ゴールから逆算して計画を立てることが重要だといえるでしょう。
工程別で見る必要期間
注文住宅が完成するまでは、いくつかの工程を踏む必要があります。その工程別の必要期間は以下の通りです。
| 工程 | 必要期間の目安 |
| 情報収集・予算検討 | 1〜3か月 |
| 土地探し〜ハウスメーカー選び | 3〜6か月 |
| プラン検討〜見積もり〜契約 | 3〜6か月 |
| 着工〜引き渡し | 3〜6か月 |
前項の完成までの期間と同様、工程ごとにかかる期間についても目安にすぎません。土地やプランのこだわりや、工事の進行具合によっては、期間が大きく変わる可能性があります。
完成期間に関する購入者の声
完成までの期間は、人によってまちまちです。そこで、実際に注文住宅を建てた人の声を見てみましょう。どこに時間がかかったのかなど、具体的にイメージしやすくなるでしょう。
| さまざまなモデルハウスを回りながら情報を集めていたら、それだけで半年くらいかかりました。 |
見学する展示場の数は、人によって異なります。効率的に計画を進めるには、2〜3棟の見学が現実的です。しかし、より多くのモデルハウスを見学することで、それぞれを比較検討でき、希望の条件とマッチするハウスメーカーに出会える可能性が高くなる、といったメリットもあります。
| 都度的確なアドバイスをもらえたので、わずか8か月で理想の住宅が完成しました。 |
これは、住宅の相談窓口を利用した人の声です。担当者との関係性も、住宅完成までの期間に影響します。的確なアドバイスを都度もらえれば、家づくりがスムーズに進行します。重要なのは、自分たちの理想の「核」となる部分をしっかり伝えることです。そうすることによって、自分たちの理想を現実にしてくれるハウスメーカーとの出会いにつながります。
注文住宅完成までの期間は、時期によって変わる場合も

前項で注文住宅が完成するまでの期間は、状況によってかなり長引くケースもあります。住宅にこだわったり手続きに時間がかかったりした場合はもちろん、実は住宅を建てる時期も、完成期間に大きく影響するのです。
季節や気候の影響を受ける
家を建てる時期はいつでも良いと思われがちですが、季節や気候によって住宅完成までの期間が左右されることもあります。建設に適した季節は、1年の中でも、比較的気候が穏やかな春から夏にかけてです。
雨の日が増える梅雨の時期は、雨によって木材がぬれるほか、屋根や外壁の工事などの、雨が降っていない時に着手する工程が遅れる可能性があります。
また、暑い季節や寒い季節も注意が必要です。特に基礎工事にあたるコンクリート打ちは、気温の影響を受けやすいもの。気温が高い夏は、コンクリートが早く固まりすぎ、逆に冬は固まりにくくなってしまいます。場合によっては、工期の遅延や品質低下につながりかねません。
年度末は進行に遅れが出やすい
一般的に繁忙期とされているのは、3〜5月あたり。新年度を迎えるタイミングで、新生活をスタートさせる人や、住環境を整えようとする人が増加するためです。
また、前項でも触れたように、春先は気候が穏やかなことから建築工事が進みやすく、この時期を選んで注文住宅を建てる人もいるでしょう。
住宅建築の受注数とともに工事数も増えるため、現場の職人不足や資材の納品遅れが発生しやすくなります。そのほか、ハウスメーカーや工務店に建築依頼が多数寄せられることで、設計や見積もりといった手続き周りの作業にも遅れが生じます。
新年度のタイミングで新しい家での生活をスタートさせようと考えている場合は、上記のように工期に遅れが出ることを把握しておきましょう。
注文住宅を建て始めるベストタイミングはいつ?

注文住宅の建築を検討している場合は、気候や気温が安定している春先や秋口に着工するのがおすすめです。基礎工事が気候や気温の影響を受けにくいうえに、繁忙期を避けられるため工事の遅延も防げます。
記事前半で触れたように、着工から完成までの期間は3〜6か月です。その点にも考慮して建築スケジュールを立てるといいでしょう。
また、住宅を建築するにあたって見落としがちなのが税金です。固定資産税は、「1月1日時点での建物の保有者」に課税される決まりがあります。住宅が完成するタイミングによって負担が変わるため、税金の面も含めて計画的に調整することが大切です。
注文住宅の基本的な流れは?
注文住宅を建てる時には、完成までにいくつかのステップを踏む必要があります。ここでは、注文住宅の引き渡しまでの基本的な流れを8つのステップに分けてご紹介します。各工程での注意点についても触れるので、トラブル防止のために一つひとつ理解しておきましょう。
1.どのような家を建てるかイメージする
注文住宅を建てることになった場合は、まずは「どんな家を建てたいか」イメージを膨らませます。実際に住む人が「これは叶えたい!」と譲れない絶対条件をリストアップしましょう。
また、今住んでいる家に対して感じている、「動線が悪い」「段差があって怖い」などの不満点を洗い出すのもおすすめです。
もし、新しい家をイメージしにくい場合は、雑誌やカタログ、SNSなどの情報を参考にしてみましょう。特にSNSでは、実際に注文住宅を建てた人の「リアルな声」が見られます。一生に一度ともいえる大きな買い物になるので、プラスの部分だけではなくマイナスの部分にも目を向けることで、理想の家づくりへの大きな一歩になるでしょう。
2.予算を検討する
注文住宅を建てる際にかかる費用は、主に以下の4つです。
- 土地購入費
- 建物本体工事費
- 別途工事費
- 諸費用
これらに加えて、自己資金とローンで借り入れ可能な金額も出したうえで、バランスの取れた予算設定をすることも重要です。
もし自己資金が少ない場合は、その分住宅ローンで補うことが可能です。しかし、借り入れ額を増やせば、その分毎月の返済額が多くなるため、家計に大きく影響してしまいます。逆に、将来のための貯金を家購入の資金に充ててしまうと、子供の養育費や老後の蓄えを減らさざるをえません。
国土交通省の「住宅市場動向調査(令和5年度)」によると、注文住宅における建物本体にかかる費用の平均は、約3,400万円と報告されています。一般的に、住宅購入にあてる自己負担金の割合は2割以上とされているので、世帯年収に対する返済比率を確認して、無理のない予算設定が大切です。
3.土地を探す
土地を探す際は、まず以下の3ポイントを押さえましょう。
- 予算を考える
- 条件を絞る
- 理想のライフスタイルに合う場所を選ぶ
建物にかけられる費用や自己資金、ローンなどすべて考慮した上で、どれくらいの額を土地にかけられるかを算出して予算を決めます。土地代は、注文住宅全体の予算の3〜4割くらいが目安といわれています。建物本体と土地の費用配分を意識して、予算を考えましょう。
子供がいる場合は、「転校しなくていいように通っている学区内に建てたい」といった希望があるはず。このような譲れないポイントもリストアップしておきます。あとは、「駅から近い場所」「車の通りが少ないところ」など、自分のライフスタイルに合う場所に絞り込むことも大切です。加えて、妥協できる条件も挙げておけば、選択肢が広がります。
上記のポイントを押さえたら、不動産会社やハウスメーカーなどに相談します。インターネットを利用して、自分でも土地の情報を収集してみましょう。
ある程度の目星がついたら、必ず現地に足を運んでください。周囲の環境や地形はもちろん、そもそも建築可能かどうかを確認する必要があります。昼夜や平日・休日で雰囲気が変わる場合があるので、見に行く日や時間帯にも考慮するのがおすすめです。
4.ハウスメーカーを決める
注文住宅を建てるうえで重要なのが、ハウスメーカー選びです。理想の家を作るために、二人三脚で計画を進行する必要があります。いわばパートナーのような存在なので、慎重に決めましょう。
まず外せないのが、自分たちの予算内の住宅が建てられるハウスメーカーであることです。予算が十分にあるので高級感を重視するのか、費用と性能の両方を叶えたいのか、なるべく費用を抑えたいのか、自分たちの価値観に合うハウスメーカーを見極める必要があります。
建築時にどのような工法を用いているかの確認も重要です。工法の種類としては、以下のようなものが挙げられます。
- 木造在来工法(木造軸組工法)
- 2×4構法
- 鉄骨造
- RC造
- プレハブ工法
これらの工法によって、設計の自由度や耐震性など、住宅の仕上がりに大きく影響するため、しっかりと見ておいてください。
また、長期保証や定期点検といったアフターフォローの体制や、プロ視点で親身になってアドバイスしてくれるような担当者かどうかも確認が必要です。
5.プランを設計し、見積もりを出してもらう
ハウスメーカーの候補をある程度絞ったら、プラン設計と見積もり作成に進みます。多くのハウスメーカーに出してもらって比較検討したいところですが、数が多いとチェックするのも大変で、その分完成までの期間が伸びてしまう可能性もあります。ハウスメーカーの候補は2〜3社くらいに絞るのが無難です。
なお見積もりには、概算見積もりと詳細見積もりの2種類があります。概算見積もりは、だいたいの予算を把握するために出されるもの。一方詳細見積もりは、使用する建材や部品、関わる作業員の数などが具体化された見積もりです。
一般的には、ハウスメーカーを決定するまでの1〜2回までは概算見積もり、ハウスメーカーと施工内容が決定した後に詳細見積もりを取ります。詳細見積もりを取った場合は、契約前に内容を念入りに確認してください。
なお、複数のハウスメーカーで見積もりを取る際は、必ず同じ条件にしましょう。建材のグレードが少し違うだけでも、正しく比較検討できません。また、見積書に書かれている金額はあくまで目安。外装工事や備え付け家具の金額が含まれていないケースもあるため、金額が上がることも十分にあり得ます。
6.工事請負契約を結ぶ
プランの詳細が定まったら、いよいよ契約です。契約書は「工事請負契約書」というもので、工事に関するトラブル予防や、トラブルが発生した時のルールなどを明確にするために結びます。
契約書に記載されているのは、正確な工期や支払いのスケジュール、建材のグレード、アフターサービスなどです。契約を結ぶ前に内容をよく読み、特に以下の内容をチェックすることをおすすめします。
- 実現可能な工期か
- 工期に大幅な遅延が発生した場合や、キャンセルする場合の違約金
- 支払い金額とそのスケジュール
- プランや設備の内容
- 住宅の保証やアフターサービス
- 住宅ローン特約の有無 など
契約書の内容は数十ページに及ぶ場合もあるため、その場ですべてを確認するのは難しいでしょう。念の為、事前にコピーをもらっておき、じっくりと確認するのがおすすめです。もし疑問点があった場合は、契約を結ぶ前にきちんと解消しておきましょう。
7.工事が着工する
契約を結んだら、いよいよ着工です。地鎮祭が行われた後、建築確認申請の承認を得たうえで、杭打ちや根切り工事の着手を「着工」とするケースが一般的です。
工事が始まると、騒音や振動が発生するため、あらかじめ近隣の自宅に挨拶をしておきましょう。手土産を持って丁寧に挨拶すれば、住み始めてからの良好な関係性にもつながるはずです。
また、工事の進捗確認のために、時折現場を訪れるのもおすすめです。現場で作業してくれている人に、お茶やお菓子、軽食などの差し入れを持っていくなどの気遣いは喜ばれます。ただし、最近では差し入れを不要とする業者もいるため、事前に確認しておくのが無難です。なお、確認して少しでも疑問に感じることがあれば、すぐにハウスメーカーの担当者に連絡して相談してください。
8.引き渡しをする
工事が完了したらいよいよ引き渡しです。「引き渡し」とは、工事が完了した住宅を正式に引き渡すことを指します。引き渡し日に、建築費の残額の支払いと登記手続きを済ませて初めて、持ち主が変わります。
なお、引き渡しの前に行われる「竣工検査」で、住宅に不具合や傷が見つかることも。その場合は、業者がそれらを直したものを再確認し、ようやく引き渡しが行われます。少しでも不備がある場合は修理を依頼し、決して妥協しないようにしましょう。
鍵や設備の取扱説明書や保証書なども受け取ってください。鍵は玄関だけではなく、勝手口や外の収納なども含めてすべて必要です。何本受け取ったかを控えておけば、未然にトラブルを防げます。
通常、工事完了から引き渡しまでの期間は、1週間〜10日間とされていますが、不備による再工事が行われる場合など、状況によっては1か月程度になることもあります。
建売住宅と流れや期間は違う?

建売住宅とは、あらかじめ建築された住宅を土地とセットで販売しているものです。完成済みの住宅を購入できる分、注文住宅よりも流れがシンプル。入居までの期間も短いのが特徴です。ここでは、注文住宅と建売住宅の流れや期間の違いを詳しく見ていきましょう。
契約や打ち合わせが少なく手続きがスムーズ
建売住宅は、すでに建物が完成しているので、注文住宅に比べると手続きや購入までの流れがシンプルです。予算を決めたら、物件を探して契約。その後、住宅ローンや登記などの手続きを済ませれば購入できます。
注文住宅に必要な、土地探しやプラン設計、見積もりなどが不要です。また、住宅の設計や仕様に関する打ち合わせを何度もする必要がなく、確認程度で済みます。手続きがスムーズに進むうえに、購入者の負担を最小限に抑えられるでしょう。
なお、建売住宅の購入は、内覧してからの購入をおすすめします。イメージとのすり合わせができるほか、実際に建物を見てから購入できる安心感を得られます。
建物が完成していれば、1〜2か月で入居可能
建売住宅の場合、良い物件に出会えてスムーズに手続きが進めば、1〜2か月で入居することも可能です。すでに建物が完成していれば、住宅ローンの手続き後、すぐに引き渡しができます。そのため、なるべく早く新しい家で新生活をスタートさせたい、「スピード重視」の人には、建売住宅の購入がおすすめです。
ただし、人気の物件の場合は、購入者が早急に決まってしまうケースがあります。購入を検討する際は、なるべくスピーディーに判断することも必要です。
注文住宅完成までに時間がかかるケースは?

注文住宅は自由度が高く、自分たちの理想を入れ込みやすいのが魅力です。その一方で、家を建てたい土地が見つからなかったり、理想の間取りや設備にこだわりすぎたりすると、工期が大幅に伸びてしまう可能性もあります。スムーズに計画を進めるためにも、時間がかかるケースを前もって把握しておきましょう。
希望する土地が見つからない場合
注文住宅を建てる際は、まず家を建てたい土地が見つからないことには始まりません。土地選びは暮らしやすさに直結するため、妥協できないポイントです。
提示する条件が厳しい場合や、土地が見つかってもその条件で理想の家が建てられない場合は、土地を決定するまでに時間や手間がかかることがあります。なかには、土地探しに1年以上かかったという人もいるほどです。
しかし、土地探しに長い期間をかけすぎると、為替の影響によって資材価格が上がり、結果として建築コストが膨らんでしまうことも。また、契約時よりも住宅ローンの金利が変動して、返済額が増えてる可能性も考えられます。
間取りを大きく変更した場合
住宅の間取りを変更するのは、本契約の前までが基本です。それ以降に間取りを変更する場合は、住宅建築の計画自体を練り直さなくてはなりません。それによって、追加料金や注文済み資材のキャンセル料が発生するほか、当初の工期から大幅に遅れる可能性もあります。
気を付けたいのが、着工前に行われる「建築確認申請」です。建築確認申請とは、建築する住宅が法律に適合しているかをチェックする、法的な手続きのこと。申請通過後に工事に着工してからでは大きな間取り変更が難しく、できるとしても軽微なものに限られるでしょう。また、その際は再申請が必要になる場合もあります。
設備にこだわりすぎた場合
理想の家に近づけようと設備にこだわりすぎると、工期が長くなるうえに予算をオーバーする可能性も出てきます。例えば、海外製の設備を導入する場合は、納品されるまでに数か月かかることも。そのため、発注のタイミングが遅かったり、後から海外製に変更したりすると、その分工期が後ろ倒しになる可能性が高まります。
また、2025年現在でも半導体不足がまだ完全には解消されていないため、食器洗い乾燥機やIHクッキングヒーター、給湯器といった設備の導入に遅れが生じる場合があります。
納品までに時間がかかることを考慮し、導入設備については早めに決めておくことが工期遅れの防止につながるでしょう。
注文住宅完成までスムーズに進める方法は?

注文住宅の建築をスムーズに進めるためには、細かいスケジューリングや工法選び、優先順位づけが欠かせません。以下の詳しいポイントを理解して、効率よく理想の住宅を建てましょう。
綿密なスケジューリングを行う
スムーズに注文住宅を建築するには、何よりもスケジューリングが大切です。まずは、入居希望日を決め、その日から逆算して計画を立て始めましょう。途中でトラブルやイレギュラーな出来事が起こったとしても、全体の工期が大幅に延びないよう、全体的に余裕のあるスケジュールにするのがポイントです。
スケジュール表を作成して、全体の工期がひと目で分かるようにしておけば、計画がスタートした後でも進捗を確認しやすく、また遅れた場合の調整もしやすくなるでしょう。
スケジュールを立てる際は、並行して行える工程をチェックしておくことも大切です。こうすることで、無駄な期間や手間を減らせます。
施工期間を考慮して工法を選ぶ
工法も工期を左右する一因です。それぞれの工期の目安を以下の表にまとめました。
| 工法 | 工期の目安 |
| 木造在来工法(木造軸組工法) | 4〜6か月 |
| 鉄骨造(重量鉄骨・軽量鉄骨) | 3〜4か月 |
| RC造 | 5〜6か月 |
| 2×4工法/2×6工法 | 2〜4か月 |
| プレハブ工法(木造・鉄骨) | 2〜4か月 |
| ユニット工法 | 1〜2か月 |
上記はあくまで目安で、実際の工期は、建物の大きさや気候などによっても変わります。あらかじめ、工法ごとの工期を把握しておけば、全体のスケジュールを立てやすくなるでしょう。
こだわりたいことに優先順位をつける
家族全員分のこだわりをすべて詰め込んでしまうと、工期も予算もオーバーしかねません。例えば、注文住宅の最初の計画段階である、予算・土地・建物については、「予算を一番に優先する」、間取りや造りなら「リビングの日当たりを重視したい」など、「ここだけは譲れない」といったことを絞り込みましょう。
優先順位を決めることで、作りたい家の方向性を定めやすいうえに、打ち合わせも最小限で済みます。また、担当者とのコミュニケーションもスムーズに進むでしょう。
なお、優先順位をつける時は、口頭で話すだけではなく、可視化できるようにリストにしておくのがおすすめです。
プランを途中で変更しない
家づくりを進めていく中で、「やっぱりこうしておけばよかった」と思うこともあるでしょう。しかしその度にプランを変更していては、工期に影響が出てしまいます。
例えば、間取り変更したい場合は、設計自体を一からやり直さなければなりません。着工前の「建築確認申請」を提出してしまっていると、再申請が必要な場合もあり、これらによって工期が大幅に遅れる可能性があります。
また、導入する設備や使用する建材を変更する場合は、発注したものをキャンセルし、再発注しなければならず、納期が遅れるでしょう。
工期遅れを防ぐためには、プラン・設備・建材などの途中変更をなるべく避けるようにすることが大切です。
注文住宅の流れに関するQ&A

注文住宅の流れで一番時間がかかるポイントは?
記事の前半でも触れたように、注文住宅の完成までは10〜18か月の期間を要します。その中でも特に時間が必要だとされているのが、土地探しです。住宅建築の基盤となる部分であり、住み始めてからの暮らしやすさに多く影響する部分のため、慎重に決めなければなりません。
次に時間がかかりやすいといわれているのが、プランの設計です。つまり、全工程の中で、土地探しとプラン設計にかける時間をしっかり確保すれば、納得のいく家づくりが実現するでしょう。
着工から建物完成まではどれくらいかかる?
着工してから家が完成するまでは、3〜6か月かかるとされています。これは、着工から施工引き渡しまでの期間です。工事中の天候や資材不足などで、工事のスケジュールに遅延が生じる可能性もあるため、あくまで目安として考えておきましょう。
また住宅の大きさによっても完成までの期間は異なります。小規模住宅だと2か月と短期間で完成することもあれば、逆に二世帯住宅などの大規模住宅の場合は、6か月以上かかることもあります。不測の事態が起こることも考慮しつつ、余裕のあるスケジュールを立てましょう。
土地が決まる前にプランを相談できる?
土地が決まっていなくても、住宅の具体的なプランを相談することは可能です。住宅メーカーによっては、土地探しと並行してプラン設計できるサービスを提供しているところもあります。複数の住宅メーカーの提案を、比較検討しやすいでしょう。
また、このようなサービスを利用すれば、住宅メーカー側で建築規制に配慮したうえで建築可否の判断をしてもらえるため、「この場所には家を建てられない」といった事態を未然に防げます。
建物が完成したらすぐに住める?
建物が完成したからといってすぐに住めるわけではありません。引き渡しまでの目安は、1週間〜10日くらいです。一通りの工事が完了したら、業者や施工主によって「竣工検査」を実施しなければなりません。設計通りに家が作られているかを確認し、もし不備がある場合は修繕工事が行われます。修繕度合いによっては、1か月くらいかかる場合もあります。
引き渡し日に行うこととしては、以下です。
- 修繕箇所のチェック
- 住宅費用の残金支払い
- 登記手続き
- 設備の説明
- 鍵の受け取り など
引き渡しの日はやるべきことが多いため、引き渡しが延びないよう、あらかじめ準備をしっかり行っておきましょう。
完成までの流れを押さえて、注文住宅建設を計画的に進めよう

注文住宅が完成するまでには、土地探しからプラン設計、工事といったいくつもの工程を踏みます。家がすでに完成している建売住宅に比べると、工数も手間もかかりますが、その分、自分の理想に近い家づくりが叶うでしょう。注文住宅でネックになりがちな、工期の遅延は、プランの立て方や綿密なスケジューリング、工法選びによって解決できます。完成までの流れやポイントを押さえて、納得のいく家づくりを進めてください。
